MDR-1R

[寸感]
買ってつなげて、聞くと「うわぁー……」と思うヘッドフォンかな。非常にピーキーなヘッドフォンだと思う。傾向としては「低音より、中音普通、高音は一部出ず、一部かなり出る」という感じかな。このヘッドフォンは、兎にも角にも「エージング必須」ってことだな。エージングとは「慣らし運転」と言われるように、ある時間、ヘッドフォンが鳴るようにするため音を鳴らし続けること。これをしないとこのヘッドフォンは『鳴らない』と思う。

ただ思うのは、聞いて楽しいヘッドフォンかなとは思います。言葉では書き表しにくいのですが、飛び跳ねる低音と、鳴る高い高音。とは言ってもドンシャリじゃない。そういう面白さはあるかな。

ちなみに買ったのは、MDR-1RBTで、Bluetooth対応の機種なのですが、スマートフォンから聞いたり、PSVitaでプレイしたりとこういう方面では中々重宝します。本来こういった用途なのかなぁと感じます。ただその場合、再生可能域の96Khzが泣きますけどね。


[高音域]
高音域は特徴があって、ある高音域より下は「出ません」。文字通りでない。伸びも無いし、音圧も無い。若干このあたりはエージングによって改善されるけれど、基本出ません。しかしあるレベル以上の高音域については「鳴る」と言って良い。その周波数を超えると、音圧もあるし、伸びもそこそこある。ただ、クリア感は無い。若干籠もった感じは消えません。

[中音域]
これまた「基本出ません」。出ません。一歩下がった感じで鳴ります。割とクリアになっているのですが、いかんせん、出ませんね。

[低音域]
出ます。低音がかなり出ます。エージング前では特定周波数の低音がボワボワと輪郭が無い感じですが、エージングが進むと、音圧的には変わらないですが輪郭がだんだんと明確になります。最初は、中音域を侵食する音でしたが、若干分解能が上がる感じで分離され低音は低音という感じになります。

[分解能]
良くないです。総じて音に伸びが無く、音の輪郭がぼやけています。また中くらいの低音と極低い低音、それと低めの中音が混ざってしまいます。また高い中音と低い高音も混ざります。

[定位]
非常によいです。どの方向から何が鳴ったというのが分かります。

[音場]
これも悪くないです。距離感的には、2〜3mの周囲に音源が配置されている感じです。

[ダイナミックレンジ]
これは良いです。些細な音と、大きな音の差が非常に大きい。臨場感があります。この性能をなぜ分解能に反映できなかったのかと思ったり。




[追記]
疲れず、楽しく気軽に音を聞ける。というヘッドホンかなぁという気がしてきた。本当に聴き疲れしないし、イコライザー使わなくても楽しい音。なんか精度重視だったんだけどちょっとヘッドホンに印象が変わった

[追記]
こなれてきたせいか、非常に良く聞こえる気がしてきた。これは非常に良いヘッドホンではないか?ダイナミックレンジの広さと、定位が魅力だな。明瞭さはやっぱない。