ATH-A2000X

[寸感]
エージングが進んで無いせいか、低高音の分解能がやや物足りない感じ。若干伸びが足りず、中音の高音と混ざるかな? とはいえ、全域分解能は非常に高めで、低音、中音、高音、そつなく出る。また音の密度も高く、鳴っていてもすかすかという印象は無い。ATH-Aシリーズのクセだろうか高音よりの音作り。ヴァイオリンソロ、スカ、その辺に向いている。弦楽器との相性は抜群。ただ高音が多く、中音の明度がやや怪しいせいか、テクノはちょっと合わない。また高音よりなので、テクノは長時間だと聴き疲れるかな。低音もかなり出るため、オーディオテクニカにしてはややドンシャリ傾向といっていい。

音のクリア感、音域万遍なく出る音、かなりの名器と言って良い。しかし、キングオブ無難になれない理由は、価格だろう。4万前後ってのは、安くない。が、買って損はない。

文句を言うなら、取り回しかな。両だしのケーブルはやっぱちょっと取り回ししにくい。そして良く言われている装着感だけど、ヘッドのウィングの力は確かに弱い。輪ゴムをかけるという方法が良く紹介されていて、それをすると確かに装着感が増します。ただそれは頭の圧迫感が増すと言うだけで、ふわっとしてますが、何もしなくともちゃんと装着されています。


[高音域]
非常にクリア。音の粒が見えるよう。伸びも素晴らしい。高音域の低音部分がやや曖昧な気はするが、曖昧というレベルがハイレベル。言うなれば、磨き上げた鉄の表面を専用の計測器で計測して、「20nmの高低差があるね」という感じ。

[中音域]
これといった特徴はない。素直になる。

[低音域]
低音バリバリのヘッドホンと比べると出ないが、必要量は出る。そして、低音の中音域は若干籠もってるかなとも思うが、これも非常に些細なレベル。

[分解能]
申し分なし。高音の低域にやや怪しい部分はある。

[定位]
これまたATH-A900と同じで、方向は分かる。が近い。

[音場]
頭の周囲50cmで音源が配置されてる感じ。

[ダイナミックレンジ]
A900のクセに似ている。特別広くはない。